ボーイスカウト運動のねらい

 小学校就学から大学卒業までの年齢にわたる青少年を対象にした一連の青少年教育活動で、イギリスのベーデン・パウエル卿の考えたものです。それは人間形成の方式として、独特の理念と方法で形成されています。その目的は、現在及び将来にかけて、信頼に値する青少年をつくることをねらいとしています。言いかえれば、家庭においても、学校においても、職域においても、また社会においても、立派な国民として、ーー同時に国際人として、世界に通用する良き社会人を育成することが私たちの願いなのです。その対象が少年・青年であるだけに、ボーイスカウト運動は次代を担う人間教育であると言えます。そして、両親はもちろんのこと、広く一般社会の協力を得ることによって達成できる大きな教育運動であります。

 ボーイスカウト教育のねらいは4つにしぼられ、学年や年齢に応じて、それぞれの活動が展開されています。


人格をたかめる


知識・技能づくり

健康づくり


奉仕を通じての実践



野外が活動の場

ボーイスカウトの活動というと真っ先にイメージするのが、キャンプやハイキングといった、自然の中での活動だろう。野外活動は、ボーイスカウトの原点ともいえる。これはただ野や山で遊ぶといっただけではない。キャンプ生活では、楽しみながらテントのたて方、火の起こし方、丸太を結びあわせていかだを作る方法、動物の種類やその生態を知るための観察など、いろいろな知識や技能を身につけていくことになる。もちろん食事も自分たちで作ることになる。本格的な野外料理の調理方法に挑戦するんだ。自然の中でみんなと食べると、最高においしいよ。

 もちろん野外活動がすべてというわけではない。スポーツ、武術、音楽、芸能、伝統工芸、美術、その他の文化活動・・・といった具合に、その領域は実に幅広い。スポーツひとつとってみても、ウインドサーフィン、ラフティング、ハンググライダー、ロッククライミングと、とても学校の授業やクラブ活動では体験できないような種目がいっぱいだ。

 音楽や演劇も本格的、アマチュア無線やコンピューターの勉強だってできるんだ。さらに、常に役立つよう努めるボーイスカウトは、ボランティア活動も進んでやるよ。例えば毎年9月第3月曜日(敬老の日)の「スカウトの日」は日本中のボーイスカウトが町に出て、地域のためになる活動をしようという日なんだ。カントリー大作戦といって、町中に捨てられている空き缶拾いをして、町をきれいにしている。またこの日は敬老の日でもあるので、お年寄りの施設を訪問するなど、それにちなんだ活動を企画したりもする。